クトゥルフ神話系ライトノベルのリスト
◆ 1980年〜1995年
1980年07月 邪神惑星一九九七年―クトゥール・オペラ
1984年06月 妖神グルメ
1988年03月 ラプラスの魔
1989年01月 小説 戦え!イクサー1
1990年11月 マジカル・ハイスクール
1995年04月 マジカル・シティ・ナイト〈VOL.2〉―旧支配者の足音
1995年07月 アローン・イン・ザ・ダーク
参考: 1981 魔界水滸伝
参考: 1982 ク・リトル・リトル神話大系シリーズ刊行
参考: 1984 魔境遊撃隊
参考: 1986 クトゥルフの呼び声TRPG
参考: 1988 ラミア(邪神伝説シリーズ)
参考: 1988 暗黒神話体系クトゥルーシリーズ刊行
参考: 1992 Alone in the Dark
参考: 1994 ネクロノミコン(18禁PCゲーム)
参考: 1995 黒の断章(18禁PCゲーム)
◆ 1996年〜2000年
1996年08月 ボディフラッシュ―聖スカーレット戦攻伝
1997年02月 黒の断章
1997年06月 Esの方程式
1997年06月 宇宙刑事ヴォルクバン―囚われの女子高生を救出せよ
1998年04月 世界最終美少女戦争
1998年05月 邪神ハンター
1998年05月 海魔の紋章
1998年09月 秘神黙示 ネクロノーム
1999年07月 帰還者―レブナン
1999年12月 小説 終ノ空
2000年03月 DADDYFACE
参考: 1997 黒の断章(セガサターン)
参考: 1999 ニライカナイ
参考: 1999 エンジェルフォイゾン
参考: 1999 終ノ空
参考: 1999〜2000 ペルソナ2罪&罰
◆ 2001年〜2005年
2001年01月 ハスタール
2001年04月 深淵を歩くもの
2001年08月 アストラルギア
2001年11月 シャドウプリム
2002年03月 十八番街の迷い猫―夕なぎの街
2003年09月 斬魔大聖デモンベイン 無垢なる刃
2004年07月 斬魔大聖デモンベイン―機神胎動
2005年12月 超妹大戦シスマゲドン
参考: 2002 朝の来ない夜に抱かれて
参考: 2003 斬魔大聖デモンベイン
参考: 2003 沙耶の唄
◆ 2006年〜2010年
2006年03月 シャルロット・リーグ3 ワルプルギスの森で
2006年10月 文芸部発マイソロジー
2006年12月 円卓生徒会
2007年06月 うらにわのかみさま―邪神さまにおねがい
2008年05月 死図眼のイタカ
2008年05月 黒水村
2009年04月 這いよれ! ニャル子さん
2009年05月 文芸部発マイソロジー
2009年06月 やむなく覚醒!! 邪神大沼
2009年07月 仙獄学艶戦姫ノブナガッ! 第一次水着大戦
2009年12月 風に乗りて歩むもの
2010年04月 死想図書館のリヴル・ブランシェ
2010年05月 魔海少女ルルイエ・ルル
2010年06月 うちのメイドは不定形
2010年10月 災厄娘inアーカム
2010年12月 名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードのネクロノミコンを読んだら
参考: 2009 萌え萌えクトゥルー神話事典
参考: 2010 伴天連XX
◆ 2011年〜現在
2011年07月 ネクロノミコン異聞
2011年09月 ダブルバインド - 黄昏に獣は踊る
2011年12月 ささみさん@がんばらない 7
2012年01月 かんづかさ
▼ 編集メモ
・がっつりクトゥルーなものも、軽いネタにとどまるものもまとめてリストアップ
・シリーズの紹介は1巻のみ。
・できるだけクトゥルーネタ登場巻を。出来なければ1巻を。ただし未確認の作品もあり。
・2012年01月05日更新。リストを発売日順に編集。2011年度分を追加。
▼ リスト制作時に参考にしたサイト
・CTHULHU神話関連作品
・未完のリスト クトゥルー関係
・mixi クトゥルー神話コミュ 書籍関連:「渾沌の図書館」
・HPL資料館
・ギルマン文庫
◆ 簡易考察
まずこの考察は将来出るらしい『クトゥルー神話大鑑(仮)』の詳細リストで覆るだろうということと、デモンベインとニャル子さんのことは大好きだということを前置きして。
デモンベインやニャル子さんのお陰でクトゥルー神話ネタ作品が増えた……ということがよく言われますし、私もそうかもしれないと思っていました。*1
そこで、実際どうなのかを考えるため、ライトノベルにおけるクトゥルーネタ作品を年度別にならべてなおしてみました。
結論から言うと、デモンベインやニャル子さんのリリースと、クトゥルー神話ライトノベルの刊行点数にはほとんど関係がない……と思われます。
デモンベインがリリースされた2003年以降だと、2004年、2005年、2007年と1冊ずつしかでてません。デモンベインの影響が大きかったなら直後のこの時期に増えていてもいいはずです。(美少女ゲームだとデモンベインの影響が明確にあり、翌年の2004年だけクトゥルー神話の小ネタを使った作品が多かったりします。ただし、デモンベイン単体というよりも、『朝の来ない夜に抱かれて』『沙耶の唄』との複合影響だと思っています)
全体を見ると1998年以降は大体年に1〜3冊出版されており、それより多いのは1998年と2001年の4本と、2009年と2010年の5本。
後者はニャル子さんの影響か、とも思えますがニャル子さんのリリースが2009年04月。構想と執筆の時期を考えるとニャル子さん以降だと明確に言えるのは1本だけ。2010年も多いといっても5冊。少し頑張っただけの誤差といえてしまいますし。
では、どうして「デモンベインやニャル子以降、クトゥルー神話ネタのラノベが増えた」という印象が生まれたのでしょうか。
まず、ヒットしたんだから影響が大きいんだろうという誰しもが持つ推論があると思います。わたしもこれに引っかかりました。安易に考えるものではないですね。
それと、2002年から2005年にかけた不作の時期も影響していると考えられます。その辺りからライトノベルを読み始めた方なら、最近になって急にクトゥルーネタが増えた印象を持たれるのも当然のことだと思います。
とはいえ、「最近になってクトゥルー神話のラノベが増えたよね」という感想自体は合っていると思います。実際、最近五年の平均はそれ以前の平均よりも高いです。
ただしこの事をもって、ラノベにもクトゥルー神話ブームが来たと言うのは注意が必要です。考えるべきはライトノベルの刊行点数。こちらにある表を見ると、ライトノベルの年度別刊行点数は2000年の283冊から2011年の943冊で三倍以上に増えてます。ここから考えると、クトゥルー神話ネタのラノベが生み出される比率は、今も昔もあまり変わらず、総刊行点数が増えた分に比例して増えたという感じのようですね……とほほ。
まとめると、クトゥルーネタのラノベがちょこっとだけ増えたのは事実ですが、デモンベインやニャル子さんの影響ではない、という感じです。*2
最後にもう一つだけ考えるべきことを。
クトゥルー神話ネタのラノベが突然増加するようになった、1998年以前には何があったのでしょう?
時期的に有力なのは、『黒の断章』のセガサターン版(1997年の8月)。
クトゥルーネタの作品がコンシューマ機のソフトとして成功した事実は、私達が考える以上にクリエーターや編集者への影響が大きかったのかもしれません。