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ニャル子さん第2話のクトゥルフネタ全部解説

 さあ、今週もやりますよー!


 イラスト&台詞抜き出し解説


「冒涜的な手榴弾っ!」:「冒涜的な」はクトゥルー神話作品でよく登場する形容。「名状しがたい」、「忌まわしい」なども同様。なお、原作小説では「モンティ・パイソン」に登場する「聖なる手榴弾」ネタとして真尋に突っ込まれている。


「夢見るままにまちいたり」:『這い寄れ!ニャル子さん』の応募時のタイトル。さらにその元ネタは、クトゥルフ神話において有名なニ連句。「ルルイエの館にて 死せるクトゥルー 夢見るままに待ちいたり(ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん:Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn.)」より。


「今この時、星辰は正しい位置に付き、ルルイエは浮上する」:ルルイエとは海底に沈んだ石柱都市。星辰が揃うと海面に浮上するとされる。クトゥルー神話のネーミングの由来ともなった偉大なるクトゥルーが眠っている。



「ノーデンス」:深淵の大帝と呼ばれ、ぶっちゃけ海神ポセイドンと似たような姿で描かれることがおおい。銀の腕を持ち、イルカに乗る。こんな姿



「クトゥグア」:炎を司る邪神。宇宙規模の純粋な火力を神化させたような存在で、ニャルラトテップの天敵とされる。あまりイラスト化されないが管理人のイメージではこれとかこんな感じ。『暗黒神話体系シリーズ クトゥルー4』に収録された『闇に棲みつくもの』ではニャルラトテップが棲むン・ガイの森を焼き尽くした。
 時間のある人は、ニャルとクトゥグアに関するこの動画をごらんあれ。「だいたいあって」いますから。



「ルルイエ直行水上タクシーのダゴンくんです」:ダゴンは海の邪神。半魚人を巨大化させたような姿をイメージすればOK。イメージ画像はこんな感じ。ダゴンの本気モード(戦闘)を知りたいなら、この動画の01:00位からを、ちょっとだけ見ると良いかもですよ。



「ガールフレンドのハイドラちゃんがこれまたプリティで」:ハイドラはダゴンの妻とされる存在。




 ルルイエとはクトゥルーが眠るとされる海底の石柱都市。ルルイエのデザインの元ネタは恐らくこのあたり。
 ニコ動によるとこんな感じでファミマもあるらしい。


 2012年11月01日追加。
 死の島(ベックリン)死の島(ギーガー)に似ているという情報をコメントでいただきました。確かに検索するとそっくりです!


「株式会社クトゥルーが運営する地球ルルイエランドです」:東京ディズニーランドのパロ。
 クトゥルーはルルイエに封印されている邪神。蛸の頭部と羽、緑の肌で描写されることが多い。
 クトゥルー様のカッコイイ&可愛い画像を並べるとこんな感じ。いや、ホントカッコイイので是非見て。


「空間が歪んでますからね」:ルルイエは幾何学的に空間が歪んで見えるとされる。




 大量に出てくるクリーチャーはこのあたり。
 ミ=ゴガグディープワンバイアキー外なる神々の従者ヘビ人間ムーンビーストクトーニアン古のもの


 なお、ニャル子さんの場合、クトゥルー神話クリーチャーのデザインは『クトゥルフ神話図説』をベースにしているみたいで、結構そのままの絵が載っていたりします。
 一目瞭然なのがこちらで、ニャル子さんに載っていた蛇人間とカラーリングまで一緒。
 ちなみに『クトゥルフ神話図説』は『クトゥルフモンスターガイド』の1巻と2巻を合わせたものです。購入をお考えの方は注意!



「宇宙三大コースターのマッドネスマウンテンですよー」:ラヴクラフトの中編に『狂気山脈にて(At the Mountains of Madness)』という作品がある。このもじりは多く、例えば映画の『マウスオブマッドネス』、ボードゲームの『マンションオブマッドネス』などがある。勿論、両方クトゥルー関係。


「あっ、あちらに見えるのはレン高原ゴーカート」:レン高原とは、ラヴクラフトの作品『未知なるカダスを夢に求めて』で登場する地名。


「お化け屋敷アーカムハウスは奇跡的に二時間待ちじゃないですか」:アーカムハウスとはクトゥルー神話の知名度上昇に物凄く貢献したオーガスト・ダーレスが設立した出版社。なお、アーカムとはクトゥルー神話に登場する架空の都市。有名なミスカトニック大学もアーカムにある。



「マスコットのインスマウスくんからお面もらっちゃいましたー」:インスマウスとは、クトゥルー神話よく登場する港町。インスマスとも。ディープワンと呼ばれる魚人との混血が進んだがゆえ、インスマス面(づら)と呼ばれる独特の容貌になることが多い。インスマス面はこんな感じ
 日本のクトゥルフ神話でもよくパロディとして使われ、『陰洲升』や『蔭洲升』などの当て字がつかわれる。ちなみに、画像のインスマウスくんは勿論ぽにょ。物語的にも似ているため、映画公開時に、ぽにょ=ディープワンの眷属と読み解きが話題に登った。
 なお、「インスマウスくんからお面をもらっちゃいましたー」というのは、「インスマウス面(づら)」と「インスマウスのお面」を引っ掛けて遊んでいるのだと思われる。
 あと、ミッキーマウスとインスマウスでかぶせてる。これはクトゥルー者が昔からよく使っていたネタ。



「Cola of Cthulhu ルルイエランド」:超有名作品『クトゥルフの呼び声』を英語で書くと、「Call of Cthulhu」。それをもじったもの。



「運命の赤い触手で結ばれているダーリンっていいましょうか」:確かに赤い触手は付いてます。ただし頭に。ニャルラトテップの有名な化身、血塗られた舌の姿。


「自由とはそういう事だ」:クトゥルー神話要素が登場したアニメ『ビッグオー』の主人公ロジャーの台詞。……これ普通気付くの無理じゃない……?


「汝ら罪なし」:これも『ビッグオー』に登場する……というか正確には『「CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY. (我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし)」という言葉がモニターに表示される。』らしい。(ビッグオーのwikipediaより)



 薔薇とクトゥルーということで語るなら、クトゥルー神話系18禁PCゲームの『終末少女幻想アリスマチック』。演出やグラフィックで薔薇がよく使われる。
 だけど、……正直これはこじつけかも。薔薇はどこにでもありえる演出なので。
 ちなみに『終末少女幻想アリスマチック』は剣術×近未来学園×終末×クトゥルーという作品で、この作品にもトラペゾヘドロンやニャル様が登場する。(もーどこにでも居るんだから!)



「輝くトラペゾヘドロン」:クトゥルー神話ではニャルラトテップを召喚できるアイテム。ニャル子さんの描写どおり、黒字に赤い筋という形で描写されている。なお、トラペゾヘドロンとは凧形二十四面体(偏方二十四面体)のこと。輝くトラペゾヘドロンの画像はこんなの
 模様のひとつは前にも挙げたニャルラトテップの印


 2012年04月26日追記。輝くトラペゾヘドロンを拡大するとこんな感じ。これは旧支配者の大いなる印です。画像はこちら。情報有難うございました!


 初期アップからの追加分



 2012年04月18日追加。
 変身後のフォームは燃える三眼と呼ばれるニャルラトテップの二つ名を意識してデザインされている。『斬魔大聖デモンベイン』のナイア様のこんな燃える三眼が有名。



 2012年04月19日追加。
 ルルイエの入り口だけど、海外のクトゥルー神話系イラストブックのこの表紙に描かれた洞窟つーかルルイエそのもの。



 ツイッターで教えて頂きました。トラペゾヘドロンの件ですが、確かに赤黒い箱を開けた中に、さらに黒い宝石っぽいものがあります。拡大してもちょっとわかりませんが、もしかしたらこちらがトラペゾヘドロン=凧形二十四面体なのかもしれません。



 ニャル子のなげたバールがくるくる回るのは、バルザイの偃月刀を投げるデモンベインにかなり似てる。この動画の01:53あたりから。まあ、こんな攻撃は他でも例があるから偶然なんだろうけど、「ルルイエに向かった後のデモンベインが宇宙で戦闘するネタの重なり」まで含めてもしかしたら……という感じで。
 はっ! バールとバルザイの偃月刀。つまり、バールザイの偃月刀!
 ……いや、やっぱ違うな。


 18禁ゲームだけど、ニャル子さんからクトゥルーをかじってみたい人には、デモンベインは超オススメ! ラヴクラフト全集の帯に「デモンベインの原典」と書かれた実績もあるくらい、クトゥルー神話の布教に大貢献した作品ですし!
 ちなみに、デモンベインにもトラペゾヘドロンやニャル様が登場する。(あれ……さっきも似たようなこと言ったような……)



 空中に浮いている逆さピラミッド!
 これ……? うーん。微妙に違うっぽい。ネタは、クトゥルー神話要素のある漫画『朧』から。画像からだと正直わかりにくいのですが、ニャル様が「逆さピラミッド」の先で人を刺し殺したシーンなのです。(相変わらず変なことをする神様です……)
 ピラミッドの形が全然違うので、恐らく偶然。


 ついでにニャル子さんとニャル様つながりで豆知識。
 『朧』は設定が『ニライカナイ』に引き継がれます。そんでもってニャル様も『ニライカナイ』に出てくるわけですが、こんな感じで登場。大股開きで下からアップ撮影だなんてニャル様やらしい。



 ネクロノミコン関連の何かの印……だったはず。形自体は知っているんだけど。ちなみにこんなの
 コメントで情報をいただきました。ネクロノミコンの印で、門(gate)の印とも言われているようです。だから入るときに大写しにしたのね。



 2012年04月21日追加。
 クー子の使っているファンネルもどきは、恐らく「クトゥグアの配下」と呼ばれているものをイメージ化したもの。『クトゥルー4』に収録されているオーガスト・ダーレスの『闇に棲みつくもの』でクトゥグァが召喚され、ニャルの棲む森を焼き払う時の描写はこんな感じ。

 突如として闇がなくなり、あたりは恐ろしい琥珀色の輝きにつつまれた。(中略)そのあと何千もの光の小球があらわれた。(中略)無数の光の小球が生ける炎の実態であると確信するにいたった。光の小球がふれるところ、かならず炎が燃え上がっていた。(中略)しかし、目に片手をかざしていてもなお、この呪われた場所から空に流れていく無定形の存在も、木木の上で生ける炎のようにわだかまっている巨大な存在も、目にしないわけにはいかなかった。



 変身シーンの途中で、顔が真っ暗で見えない一瞬があるけれど、これは『無貌の神』『暗黒のスフィンクス』よ呼ばれるニャル様の化身からのイメージの可能性がある。こんなの。というか、顔(貌)がない演出なんて普通は使わないから、意識してると思う。つーか色も似てるな……。



 真尋たちが乗っているタクシー以外にも海産物系のタクシーっぽいのが色々と登場する。
 クトゥルー神話好きからすれば、「ダゴンはこんな海産物っぽい姿はしてないよ!」と思うかもしれない。でも、半魚人形じゃないダゴンはいくつかデザインされており、デモンベインに登場したフナムシ型ダゴンと、デビルメイクライに登場したアンコウ+カエル型のダゴン(動画)がある。


 ニャル子さんとは関係ないけど、ダゴンに関する豆知識。漫画版カルドセプトに蛸髪の女体化ダゴン様が登場する。こんなの


 あとがきっぽい


 前回は、沢山の方に見ていただいたようで、本当にありがとうございました!
 開設してから三年半で三十万くらいのマイナーブログでしたのに、この一週間で十万ヒット増えやがりましたよ。本当、皆様のおかげです!
 来週も頑張らせて頂きますね!


 なお、前回の解説、最初に書いた時に比べて少しパワーアップしています。
 「エルダーサイン」「駒形切妻屋根」「ネクロノミコン異聞」「クトゥルーの謎と真実」「るるいえはいすくーる」「宇宙英雄物語」などの元ネタ解説を追加しました。
 そんなのあったっけ、と思われた方は、よろしければ御覧ください。


 2012年05月03日追記
 這いよれ!ニャル子さん 2話 クトゥルフ神話ネタ解説動画を作って頂きました。よろしければ御覧ください。