ニャル子さんクトゥルフ神話ネタ全部解説　第１１話 - クトゥルー／クトゥルフ神話作品発掘記

　今週は大漁！

■　クトゥルフネタ全部解説

・こちらはガタノソア財閥のご令嬢、グタタンさま：クトゥルー神話におけるガタノゾーアの擬人化。『永劫より』に登場。その姿を見ると脳を残して石化すると言われる。

　なお名前がグタタンなのは、ガタノゾーアの異名、グタンタからだと思われる。

・私めは執事のロイガーことロイ・フォガーと申します：ロイガーとはクトゥルー神話の邪神。なおウルトラマンティガには、邪神ガタノゾーアと超古代先兵怪獣ゾイガーがセットで登場する。

　なお、クトゥルー神話に登場するロイガーは二つある。
　今回登場したロイガーは、おそらくだけど、ガタノゾーアに仕えているとされるロイガー族の方。
　風の神ロイガー＆ツァールにおけるロイガーとは別物であり、姿形がかなり違う。風の神のロイガーは「泣き叫ぶ触手と巨大な翼のついた塊」であり、ガタノゾーアに仕えるロイガーは「精神エネルギーで構成された非物質的存在。時には巨大な爬虫類に似た姿」である。（『エンサイクロペディア・クトゥルフ』より）

　後に、「私めは巻きずしとかＢＬＴツイスターサンドが好物ですな」という台詞があるが、第一話から考えると、ＢＬＴサンドとはビヤーキー・ロイガー・ツァトゥグァサンド。……共喰いネタ？　それとも名前が同じ故の怨恨？

・ニャル子さんのポーズ：『文学少女と死にたがりの道化』の表紙から。『文学少女と慟哭の巡礼者』にてクトゥルーへの言及がある。
　なお、主人公の遠子さんがねんどろいどになった時にくとぅるふの本を所持していたりする。

・クトゥルー世界の這いより方：『萌え絵で巡る！　クトゥルー世界の歩き方』の表紙から。

・メイド：『魔海少女ルルイエ・ルル２』の作中イラストより。

・ロボット萌え：『斬魔大聖デモンベイン』のデモンベイン。持っている武器はシャイニング・トラペゾヘドロン。この作品にもニャル様が登場する。

・星から訪れた迷い子：元ネタはロバート・ブロックの『星から訪れたもの』。なお、ロバート・ブロックは映画『サイコ』の原作者。
　『星から訪れたもの』ではラヴクラフトらしき作家が殺される。その返歌としてラヴクラフトは『闇をさまようもの』を書き、ロバート・ブロックらしき作家を殺した。ラヴクラフトサークルが作品を超えて遊んでいた有名なエピソード。

　なお、この『星から訪れたもの』、『闇をさまようもの』、そしてガタノゾーアが登場する『永劫より』ともに『クトゥルー７』に収録されているので、興味ある人は。

・てけり・り、てけり・り：クトゥルー神話クリーチャーであるショゴスの鳴き声。初出はラヴクラフトが生まれる前の作品、『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの手稿』（著：エドガー・アラン・ポー）。ラヴクラフトが『狂気山脈』にて取り入れた。（ラヴクラフトはこのように、他者の作品に登場したものを自作にいくつも取り入れています）

　ショゴスは古のもの（前話のThe 寝具のイラスト部分の元ネタ）に使えていた奉仕種族。スライムに触手と目をつけた感じ……というか、実は因果関係が逆でスライムの元祖といえる存在がこのショゴス。（そういう意味でもラヴクラフトって凄いのですよ！）

　日本では萌え擬人化して『うちのメイドは不定形』に。

・恋する邪神はせつなくて　お兄ちゃんを崇拝するとすぐいあいあしちゃうの：先程紹介したルルイエ・ルルの表紙と『恋する妹はせつなくて　お兄ちゃんを想うとすぐHしちゃうの』の合わせ技。
　拡大して初めてわかったけれど、女の子が抱きついているのはミ＝ゴ。ミ＝ゴは第一話のこの画像（の左から二番目）と、第二話のこの画像（の中央で手を振ってるの）のようにちらっと登場している。