エーリッヒ・ツァンの音楽がどんな風に演奏されているのかを調べてみた。


 
 エーリッヒ・ツァンの「音楽」が、「映像化された作品」の中でどう演奏されているのか気になったので、Youtubeから探して来ました。 
 
 以下、リンク集です。
 (ホラー表現があるので、ご注意ください)
 
 
The Music of Erich Zann (Музыка Эриха Занна):12:20ごろから。ヨグ様とアズ様っぽいのが見える。謎の女性ダンスも。
The Music of Erich Zann:ピアノ。4:50ごろから。弦楽器ではないけえど、狂ったピアノの感じがナイス。
Compendium: The Music of Erich Zann - Vancouver Film School (VFS):1:10ごろから。エーリッヒ・ツァンが魂を抜かれる(?)表現と、謎邪神が魅力。
The Music of Erich Zann:33:42ごろから。狂ったような速弾き。窓の向こうが怖い。
 
 
 どれもなかなかのなかなかです。
 気になったのは、「ツァン」ではなく、「ザン」と発音されている作品がほとんどなこと。
 表記は「Zann」なので、英語圏の作品だとそう言われるのかもですね。
 まあそんなことを言い出すと、日本だとインスマスと呼ばれることが多い Innsmouth ですが、海外ではインズマスと、「ズ」と発音している作品がおおかったり、ニャルラトホテプナイアーラトテップと言われていることが多かったりして、日本での呼ばれ方が独特なのかもしれませんが……。(そもそも、本場は向こう!)
 
 
 追記。
 原作からは、エーリッヒ・ツァンの音楽によって呼び出された神性がなんなのかわかりません。
 クトゥルフ神話であると言う視線で読むと、仮説は色々建てられると思います。
 呼びだされた神はヨグ=ソトースであり、だからこそ、主人公はその門に飛び込んでしまい、エーリッヒ・ツァンがいなかった世界ならびに作品の舞台となったオーゼイユ自体もがなかった世界へと送りこまれたのかもしれません。
 あるいは呼びだされた神性はアザトースに仕える外なる神々の従者であり、エーリッヒ・ツァンは宇宙の中央にある宮殿に攫われて、アザトースを慰める音楽を奏でているのかもしれません。
 なお、『マレウス・モンストロルム』では、『エーリッヒ・ツァンの音楽』に登場する神性をトルネンブラとしています。(おそらくマレウス・モンストルムによる創作) 
 狂気系怪奇作品として読むなら、エーリッヒ・ツァンや、その舞台となったオーゼイユ自体、本当に存在せず、すべてが主人公の妄想ということになるかもしれません。ラヴクラフト作品ではありますが、「クトゥルフ神話作品」として書かれたのかはわかりませんしね。
 その忘却をテーマにクトゥルフ神話として解釈するなら、呼びだされた神性は白痴の神アザトースそのものであり、だからこそ、世界中の誰しもがオーゼイユ街のことを忘れてしまった……という可能性もあります。(怪奇作品およびクトゥルフ神話作品の解釈は自由なのです)
 
 
 エーリッヒ・ツァンの音楽の翻訳はこちらで読むことができます。