ニャル子さんW「第2話」のクトゥルー神話ネタ全部解説
------------- クトゥルー神話要素 -------------
◆ セラエノ図書館
『セラエノ図書戦争』はセラエノの図書館と図書館戦争を混ぜたもの。
セラエノ図書館とは、ニャル子さん作中で説明された通り、プレアデス星団のセラエノ(恒星)近くにある大図書館のこと。日本のクトゥルー神話作品で、知識得を得る場所としてよく登場する。
長らくセラエノと呼ばれていたけれど、実在する恒星Celaenoはケラエノと呼ばれているため、表記や読みをそちらに合わせたほうがいいのでは、という話もある。
ベッドの上に乗っている人形は、前期10話に登場したイスの偉大なる種族(球根状バージョン。……イス香?)。
イスの偉大なる種族は精神生命体であるため、時代によっては乗り移っている肉体が変わる。有名なのは円錐型の軟体動物(こんなの)だが、時代によってはこのような球根状生物の姿を取る。
小さいので無理……。
あれが深きものどもかな……とわかるくらい。
と書いてましたが、桐井さまよりこちらに大きな画像をいただけました。
「左からツァトゥグァ・蛇人間・ショゴス?・古のもの・グール?・深きものかと」とのこと。確かにそんな感じっぽいです。
右端は不明。
中央で浮いているのがミ=ゴ。甲殻類のような菌類(エビ+キノコ)。イラストがそっくりな『クトゥルフ神話図説』のミ=ゴはこちら。(画像は黒扇娘娘的信使さまより頂きました)
左端に切れているのが蛇人間。蛇+人間。イラストがそっくりな『クトゥルフ神話図説』の蛇人間はこちら。(画像は黒扇娘娘的信使さまより頂きました)
ウ=ス異本とは、薄い本をクトゥルー神話っぽくもじったネタ。
近年クトゥルー神話界(?)でネタにされ始めた。(最初見たのはツイッターで流れてきたものだったような)
ニコニコ大百科(薄い本)に詳細がある。
あと、前話に登場したツル子さんがいる。
A.S.リーディンガーの『はての国』は、クトゥルー神話系作品『DIVI DEAD』にネタとして使われた。(……らしい)
このブログでもこちらで簡単に紹介したけれど、この「はての国」を覚えていないという体たらく……。
追記。
『DIVI DEAD』の解説本にありました。証拠画像はこちら。
この大きなのは古のもの。
イラストがそっくりな『クトゥルフ神話図説』の古のものはこちら。(画像は黒扇娘娘的信使さまより頂きました)
宇宙からやってきた種族で、かつての地球で反映した。
ショゴスを奴隷として使役したが反乱などにより滅亡した。『狂気の山脈にて』で描かれた。
左端に切れているのが蛇人間。
左の本棚から半身をだしているのがバイアクヘー(ビヤーキー)。イラストがそっくりな『クトゥルフ神話図説』のビヤーキーはこちら。(画像は黒扇娘娘的信使さまより頂きました)
床をうぞうぞしているのがおそらくショゴス。
ふわふわ浮いているのがミ=ゴ。
『マレウス・モンストロルム』より、ニャルラトテップの化身を並べたもの。
ニャル子で検索したためだと思われる。
左から。
・ニ?:不明。(原作通りなら「ニトクリス・クロス」か「ニトクリス・ナーガ」というご指摘を桐井さまよりいただきました)
・ウェンディゴ:アメリカ大陸に棲む精霊。クトゥルー神話においては、イタクァ(風の神)の化身あるいは眷属とされる。独覚さまにコメントで、「原作ではウェンディゴの夜、インディゴの夜が元ネタ(?)」というのを教えて頂きました。
・地獄のサルコマンド:サルコマンドとはドリームランドにある架空の都市。
・ルルイエ以外全部沈没:ルルイエとは、大いなるクトゥルーが眠っているとされる改訂の石柱都市。日本以外全部沈没のパロディ。
・邪神マニュアル:自殺マニュアルのパロディ?(「邪神大沼シリーズ」の初心者らくらく邪神マニュアル(あらすじ参照)──というご指摘を桐井さまにいただきました)
・インドでわしもサスラッタ:わからなかったので検索。こちらの元ネタまとめに書かれている。
・魔導書の正しい書き方:「○○の正しい書き方」シリーズのパロディ?(同じGA文庫の「ライトノベルの楽しい書き方」──というご指摘を桐井さまにいただきました)
・白の書:ナイアルラトホテップ(ニャルラトホテプ)が登場するライトノベル『死想図書館のリヴル・ブランシェ』のリヴル・ブランシェを直訳すると「白の書」。または、クトゥルー神話に登場する魔導書『無名祭祀書』のドイツ語初版は「黒の書」と呼ばれるが、そのパロディであるのかもしれない。
・ネクロノ・ミカン絵日記:ネクロノミコンと『みかん絵日記』を組み合わせたパロディ。ネクロノミコンをミカンと組み合わせたものに、こちらの画像を教えて頂きました。(登場するのは『栞と紙魚子の百物語』)
・宇宙ミ=ゴ:『宇宙皇子』とミ=ゴを組み合わせたパロディ。
・ダイラス=リーン:ドリームランドにある架空の都市。コメントで、原作ではダイラス=リーンの翼で、リーンの翼のパロというのを独覚さまに教えて頂きました。
なお、『死想図書館のリヴル・ブランシェ』に登場するナイアルラトホテップはこんなの。
アークトゥルスから飛来したとされるグレートオールドワン。
ロイガーとツァールとしてセットで語られ、後述するアラオザルの地下に棲んでいる。
光の国から来た宇宙警備隊。
ウルトラマンとクトゥルー神話の関係については、以前こちらにまとめた(結構長い)。
ルーヒーが述べたXothに関しては、以前登場したニャル子さんクトゥルフ神話ネタ全部解説「第6話」を。
たこ焼き屋プティ・クティに関しては、以前登場したニャル子さんクトゥルフ神話ネタ全部解説「第七話」を。
なお、萌え萌えクトゥルー神話事典のキャラ「プティクティ」がニャル子さんでたこ焼き屋になった経緯を森瀬繚さんが証言したものがこちら。
クトゥルー神話において、ロイガーは二種類ある。
ロイガーとツァールのロイガーと、『ロイガーの復活』のロイガー。
『ロイガーの復活』の表紙のデザインそのままだったりする。
スン高原にあるとされる土地。
エンサイクロペディアには「この都市は何千年も前に到来した地球外の存在によって『恐怖の湖』の中にある『星の島』に造られた。どんな探検隊も今までこの場所を発見したことはないが、そこはチョー=チョー人の巡礼地である。アラオザルの地下には、ロイガーとツァールが棲んでいる洞窟がある。」と書かれている。
クトゥルー神話で一つ目触手と言えばシアエガ。
『マレウス・モンストロルム』には「シアエガは丸い緑色の1つ目を持つ巨大な塊である。シアエガの形は長い触肢に取り囲まれた大きな一つの目であると言ってもいい。」と書かれている。
『エンサイクロペディア・クトゥルフ』では「1つの赤い目玉が中央にある、巨大黒い触手の塊として現れるグレート・オールド・ワン。」と書かれている。
だが、この「赤い目玉」は間違いのようで、初出の「Darkness, My Name Is」では「黒い空を背にして立っているのは、何か闇の触肢を持ち、緑色に輝く目を持ったものだった」と書かれているようだ。(とは言え、その上でシアエガの目を赤く描くことには何の問題ないと思っています。例えばクトゥルーやハスターも様々な形や色で描かれてますし)
------------- あとがきもどき -------------
◆ あとがきもどき
今回は朝更新。
私用で今から数日遠出するため、出立ギリギリまで時間を使って慌ててアップしました。
しばらくコメントなどの返信はできませんが、週末戻ってきた時に追記などを行います。
関連:ニャル子さんWのクトゥルー神話ネタ全部解説・第三話
関連:「這いよれ!ニャル子さんW」2話に登場したパロディの元ネタを分かる範囲でまとめてみた(ステマブログ)
関連:Haiyore! Nyaruko-san W Episode 2 References(NyaruReferences)